明治・大正・昭和初期の史書から
百年前の史書を、
原本にあたりながら読み直す。
国立国会図書館が公開する明治〜昭和前期の史書・史料集を元本に、幕末を中心とした日本史を、一文ごとに出典へたどれる形で書いています。
2027年1月10日 放送開始大河ドラマ『逆賊の幕臣』の時代を、記録で読む
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大雨の西御役所 ―― 嘉永六年十二月、川路聖謨とロシア使節の初談判
長崎は朝から終日の大雨だった。午前九時、ロシアの使節が西御役所に姿を見せる。使節との問答は、午後四時まで続いた。川路はその夜の手記に、開口一番の問いを書き残している。「魯西亞は、虎狼之國と世に申候。然るや、又は信義の國な… -



焼船は借りない ―― 嘉永六年十二月、川路聖謨の露艦往訪と返翰交付
議題は二日後のことである。前日十四日、長崎西御役所でロシア使節を饗応した。料理のあと長崎奉行らが着座し、「通辯之もの大はたらき」、つまり通訳が大いに働いて、午後四時過ぎに散会した。帰る時も船からは音楽が鳴り、三本の橋には… -



五年も十年もぶらかす ―― 嘉永六年六月、駒込邸で徳川斉昭に告げられた幕府の本音
徳川斉昭は、甲冑をつけた八郎麻呂が杉馬場で馬に乗るのを見物していた。七つ半、午後五時頃である。知らせは馬場まで届いた。同時に、老中阿部正弘からの状箱も届いた。自分が出向く代わりに二人を差し出す、という内密の書付である。「… -



井伊直弼大老となる ―― 安政五年四月、四時間の密談と就任の日
正午をまわった頃である。井伊邸に一人の来客があった。徒頭の薬師寺元真。御客番の小野田小一郎が応対に出る。「御上之御一大事」を申し上げたい、取次では申し上げかねる、どうか直接お目通りを、と封書を差し出したという。主君の一大… -



埋木舎の人が待っていた ―― 安政五年四月、堀田正睦の帰府と二つの難題
そこへ一橋派の旗頭松平慶永の使者が追ってくる。慶永は堀田の入府を待ちかね、わざわざ使いを立てて迎えたのだ、と蘇峰は記す。 -



春風の宰相 ―― 阿部正弘と、嘉永五年十一月の予報
嘉永五年(1852年)十一月二日。江戸の薩摩藩邸で、島津斉彬が筆を執った。宛先は鹿児島にいる弟の島津久光。 -



箱根を開けて閉じる ―― 蜷川新が伝える小栗上野介の作戦と、その後の六十年
慶応四年(1868年)、上野の彰義隊との戦が済んだあとのことである。 -



三百年の屋敷を一札で ―― 慶応四年七月十六日、旗本屋敷の没収と江戸人
慶応四年(1868年)七月十六日。江戸城が明け渡されて三か月あまり。新政庁は、江戸にある旧旗本以下の屋敷を没収するという命令を発した。蜷川新はその文面を、この章にそのまま掲げている。
蔵にある本
史料一覧 →記事は、著作権保護期間が満了した以下の資料から書いています。いずれも国立国会図書館デジタルコレクションで原本を読めます。
