明治・大正・昭和初期の史書から
百年前の史書を、
原本にあたりながら読み直す。
国立国会図書館が公開する明治〜昭和前期の史書・史料集を元本に、幕末を中心とした日本史を、一文ごとに出典へたどれる形で書いています。
2027年1月10日 放送開始大河ドラマ『逆賊の幕臣』の時代を、記録で読む
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見苦しき垂れ駕籠 ―― 安政五年八月八日、鵜飼幸吉と勅諚の東下
午後六時から七時のあいだに、一挺の駕籠が京都を出た。垂れの汚れた、わざと見苦しくしつらえた駕籠である。乗っているのは鵜飼幸吉知明、三十三歳。水戸京邸留守居の鵜飼吉左衛門知信の子で、剣と砲の術に通じ、禅を相国寺の大拙和尚に… -



悪謀の四天王 ―― 安政五年の京都、浪人儒者という力の導線
安政五年(1858年)正月十六日。青蓮院宮の屋敷に、ひとりの浪人儒者が参殿した。梅田源二郎、号は雲浜。扇子三本を箱に入れて献上し、黒書院で宮に目見えした。 -



与力、奉行を演ず ―― 嘉永六年六月、香山栄左衛門の浦賀応接
浦賀から二十五、六町離れた久里浜村。大筒の町打稽古を終えた与力たちが、昼飯のあとの休息をとっていた。そこへ城ヶ島の漁師四人が駆け込む。沖合で漁をしていたら、異国船四艘が松輪崎の内へ乗り入れるのを見た、という注進である。浦… -



義徒の自訴 ―― 安政七年三月三日、辰の口の首級から瓶の中の四人まで
安政七年(1860年)三月三日、辰の口。遠藤但馬守の辻番所の前で、一人の若者が血刀を置いた。傍らには、大老井伊直弼の首。元薩摩藩士の有村次左衛門、二十一歳。彼はその首を横に据えたまま、腹を切った。 -



裏門の蝦夷 ―― 弘化二年八月、徳川斉昭が阿部正弘に送った『明君一斑抄』
蟄居中の徳川斉昭が、一冊の写本を包ませた。表題は『明君一斑抄』。届け先は老中の阿部正弘である。「閑暇中致抄録候」と添え状にある。暇にまかせて抜き書きした、という意味だ。前の年の五月に「驕満」を理由に隠居を命じられ、藩政か… -



裂けた袖根 ―― 井伊直弼の覚悟と、六十日秘された死
安政七年(1860年)二月二十八日。外桜田の井伊邸に、一人の大名が訪ねてきた。上州矢田藩主の松平左兵衛督、のちの子爵吉井信発である。直弼とは親しい間柄であった、と蘇峰は記す。 -



窮鼠、四方へ ―― 安政五年十月、水戸藩の志士特派と諸藩の態度
安政五年(1858年)十月八日の明け方。千住大橋の下で、一艘の舟が纜を解いた。乗っているのは水戸の関鉄之介と、前夜に小塚原で落ち合った住谷寅之介、大胡聿蔵、矢野長九郎の三人。舟は竹内百太郎の周旋で、向島梅若祠のほとりの野… -



井伊の威嚇政策-安政大獄の責任者井伊の立場屏息し ―― 嘉永六年三月から明治二年三月まで
昭和六年(1931年)二月二十一日、大森山王草堂。修史の行程は規則正しく進んでいる、とそこに記す。
蔵にある本
史料一覧 →記事は、著作権保護期間が満了した以下の資料から書いています。いずれも国立国会図書館デジタルコレクションで原本を読めます。
